株式保有特定会社
会社の資産の中で「他の会社の株式など(いわゆる資産性株式)」の価額が多くを占めている会社のことをいいます。具体的には評価会社の資産総額に占める「株式・出資等の価額の割合」が
50%以上である会社を指します。(租税特別措置法施行令や財産評価基本通達に規定があります)
当社事例
①再編の背景
不動産賃貸業を営むA社・B社・C社は、株式の持ち合いや親族間の複雑な株主関係により、事業承継と将来の経営体制に課題を抱えていました。さらに、3社はいずれも「株式保有特定会社」に該当し、株価が高止まりしている状況でした。
②再編の流れ
1️⃣ C社がB社を子会社化
➡ グループの整理開始
2️⃣ A社がC社を子会社化 → 上場株式を売却
➡ 株式の持ち合いを解消し、3社とも「株式保有特定会社」から外れる
3️⃣ 新会社を設立
➡ 将来の承継先として準備
4️⃣ 3社が新会社へ貸付 → 新会社が土地や株式を取得
➡ 上場株式売却益を原資とするため、新会社は借入不要
5️⃣ 5年後に4社を合併
➡ グループを1社に集約
メリット
✅ 株価引下げ
株式保有特定会社から外れたため、株価が大幅に低減。さらに将来の株価上昇も抑制可能。
✅ 相続対策の実現
新会社が株式や土地を保有することで、資産が集約され、相続承継がスムーズに。
✅ 税務上の効果
上場株式の売却益が繰越欠損金で相殺され、課税が発生しない。株式交換も無税で実行。
✅ 経営効率化
最終的に4社が合併することで、会社数が整理され、管理コストや手間が大幅に減少。